こんにちは。荷物運び用荷物(@nimotsu_hakobi)です。
今回は、血天井や俵屋宗達の絵で有名な「養源院」に行ってきました!
俵屋宗達の白象の絵で有名なこちらのお寺。ガイドブックなどでよく見かけてはいましたが、これまでは誰かと来ると後回しにされがちなスポットでした。今回は一人だったので、しっかり時間をとって見学してきました。
目次
- 「養源院」ってなに?
- 実際に行ってみた!訪問レポート
- 「養源院」周辺の観光スポット・ホテルはこちら
- 「【京都観光】宗達の絵と、血天井と。紅葉時期の養源院を見学してきました【感想・訪問レポート】」のまとめ
- 参考サイト・資料
「養源院」ってなに?
豊臣秀吉の側室・淀殿(茶々)の父親である浅井長政を供養するために建てたお寺です。一度すぐに火災で消失してしまったそうですが、伏見城の遺構を使って再建されました。
見学のポイントになるのは、以下の2つです。
①京都を代表する絵師「俵屋宗達」の絵
②壮絶な歴史を感じる「血天井」
アクセス
京阪電車「七条」下車、徒歩約7分
市バス「博物館三十三間堂前」または「東山七条」下車、徒歩約3分
三十三間堂の向かい側にあります。
入場時間
9:00~16:00
どうせ17時だろうと油断していると入れなくなってしまいます!16時です!
料金
大人:600円
中学・高校生:500円
小学生:300円
実際に行ってみた!訪問レポート
それでは、さっそく紹介していきます。
見学の基本ルール
建物に入って靴を脱いだら、まず入場料を払います。このとき、御朱印や御朱印帳が欲しい方は一緒にお願いしましょう。
展示されている内容について、要所要所でテープの録音での説明と、係の方の説明があります(ガチャって再生するテープ、久しぶりに見ました…!)。展示物の周りにその回参加のメンバーが都度座り、ときに杉戸を鑑賞し、ときに天井を見上げ、説明を聞きます。建物内をぐるぐる回って同じ内容の説明が行われていますので、一周したところで抜けます。
見どころポイント①俵屋宗達の絵
今回私は、有名な宗達の白象の絵が見たくて養源院を訪問しました。宗達の絵は、血天井(②で解説します)の霊を慰めるために描かれたそうです。
- 「唐獅子」
(出典元:養源院 公式パンフレットより)
入り口すぐに参拝客を迎えてくれているのが、この唐獅子です。おそらく左の獅子が金色、右の獅子が白色です。金色であることは分かりづらいです。なぜか?部屋がとっても暗いからです…。私が行ったときは15:30頃で曇っていたからでしょうか。
左の獅子の説明が多かったです。木目を毛並みのように見立てて獅子を表現しているそうです。以前、葛飾北斎の「諸国滝廻り」という浮世絵で、木目が滝の水の流れを表しているようで見事だと感じたことがあります。素材丸ごと生かす、という心意気が素敵ですよね。
また、八方睨みの獅子と呼ばれており、どこにいても目が合うように描かれています。私には仕組みがわかりません…。
- 「白象」
(出典元:養源院 公式パンフレットより)
お目当ての白象が見えてきました。ドキドキ…!こちら、レプリカとかではなく本物です!
鑑賞する部屋はあまり広くなく、またかなり暗いので見えづらいです。日本美術作品あるあるですが、光を当てるとすぐに傷んでしまうので、あまり明るくできないようです。400年前の作品ですしね。
白象の杉戸絵は、大きいです!杉戸に描かれているので戸くらいのサイズはそりゃありますよね(笑) 勝手にもう少し小さい想像をしておりました。
線の少ないシンプル作風にしては、足のシワがたくさん描き込まれていますね。体の重さや乾燥した肌を表しているのでしょうか。また、牙は細くて長いです。動物園の象は危なくないように牙をカットしているのでしょうが、野生はもっとこんな感じで長いのかもしれませんね。
象の目もじっくり見てみたのですが、暗くて左の象の目玉は全く見えませんでした。
- 「麒麟」
(出典元:養源院 公式パンフレットより)
古来より、優れた子どものことを麒麟児と言ったり、優れた王が統治している時代に麒麟が現れると言われたりするそうですね。暗い暗いしつこくて大変恐縮ですが、この絵は暗すぎてちょっとよく見えませんでした。赤茶っぽい色と藍色、そして白い波は確認できましたが、肝心の麒麟のお姿が…。
白象がいちばん有名な理由がわかった気がします。養源院の本堂は、光が入りづらくて薄暗く、杉戸に描かれたときに「白」が最も明るく、目で認識しやすいからではないでしょうか。
見どころポイント②血天井
門をくぐる前から圧が強いこの「血天井」というワード。なんかこれだと宗達が血天井を描いたみたいな…(笑)
(出典元:養源院 公式パンフレットより)
なんか怖そうなのでちょっとびびっていましたが、係の方が長い棒を取り出し、棒で差しながら優しく解説してくれました。この天井は、元々伏見城の廊下だったそうです。
ときは江戸幕府成立前夜。伏見城は、家康の家臣である鳥居元忠(とりいもとただ)が守っていました。そこで石田三成軍に攻められ、圧倒的な兵士の人数差で負けた元忠と元忠側の武士たちは、伏見城内で切腹しました。その遺体は夏の間放置され続け、血や体液は床にしみ込んでしまいます。彼らを弔うために床板ははがされ、当院の天井となりました。床にしなかったのは、踏まれないためです。
「ここが全身です」「こっちが頭で、ここが足」「あぐらをかいている様子ですね」「わらじの跡」「ここが手形です」と説明を受けるのですが、首が痛くなるくらい真上…!私の目では認識できないものもあったのですが、「わらじの跡」「手形」あたりは確実にこれだ!と思うものが見えました。手形はさすがに怖いです…。
孤独死の部屋を掃除する「特殊清掃員」が話題になることがありますが、こんなにくっきり跡ってつくものなのでしょうかね。一度聞いてみたい。
当時は負けたからみんなで自害しようとなる時代ですが、本心は死にたくなかったけど周りがみんな死んでいるからどうしても嫌だけど死にます…という人もいただろうなぁ。そう思うと私たちの時代はとっても恵まれています。自由な社会は、先人たちが切り開いて作ってくれた有難いものだということを痛感させられました。
牡丹の間
(出典元:養源院 公式パンフレットより)
部屋の中央には地蔵菩薩。後ろに見える狩野山楽の金箔の襖絵ですが、油絵のようなタッチで当時としては珍しいそうです。金箔貼りの絵について思うことですが、今の蛍光灯で煌々とした室内で見るから派手すぎると思うのであって、昔の暗い部屋にある分にはあまり違和感がないんですよね。
鶯張りの床
廊下を歩くとき、キイキイ鳴っておりました。
御朱印
御朱印は、紅葉時期限定の白象の御朱印をいただきました。受付をしてくださった女性に300円の通常御朱印か700円の限定御朱印かを聞かれ、限定の方をお願いすると、「えぇ?こんなに高いんですよ?いいんですか?」みたいな念押しをされました(笑)お寺側の一部スタッフからは反対の声が上がるほど値上げしているんでしょうか…。せっかくなのでそのまま限定版をお願いすると、「ありがとうございます。養源院の修繕のために使わせていただきます」とのことでした。使ってください!数百円ですが、文化財の保存を応援したいと思います。
庭園
庭園内の木々が紅葉していて、綺麗なお庭でした。
混雑から逃れてちょっとだけ紅葉を楽しもうと思ったら、ちょうどいい場所です。
「養源院」周辺の観光スポット・ホテルはこちら
- 三十三間堂
- 智積院
- 京都国立博物館
- ハイアットリージェンシー京都
以上の施設はすぐ近くにあります!逆にこのうちのどこかに訪れた際は、是非寄ってみてください。
「【京都観光】宗達の絵と、血天井と。紅葉時期の養源院を見学してきました【感想・訪問レポート】」のまとめ
楽しい見学でした!
- 要所で解説があるのでお寺のストーリーや作品の意味を理解しやすい
- 現地で見る美術作品はやっぱり一味違う
- 平和な現代を生きられるだけでありがたい
以上、感想をまとめました。戦(いくさ)的側面も美術的側面も含めて、歴史ロマンを肌で感じられる「養源院」。近くに寄った際は、見学してみてくださいね。
(訪問日:2020年11月22日)
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今回泊まった宿もとっても素敵でした。↓
参考サイト・資料
・城に眠る伝説と謎 【伏見城】 壮絶!血染めの天井板に隠された京都・伏見城の悲劇!
・養源院 公式パンフレット